建設工事保険は必要?実際の事故例から解説
2026/06/10
「工事保険って本当に必要?」と思ったことはありませんか?
建設業を営んでいると、毎日のようにさまざまなリスクと隣り合わせです。
- 足場が強風で倒壊した
- 工事中の建物が火災に遭った
- 資材が盗難にあった
- 台風で施工途中の現場が損傷した
しかし、こうした事故は「まさか自分の現場で起こるとは思わなかった」というケースがほとんどです。
現場数が増えれば、それだけ事故や損害が発生する可能性も高くなります。
そんな時に会社を守るのが「建設工事保険」です。
今回は建設業の社長向けに、建設工事保険の仕組みや必要性、実際の事故例を交えながら分かりやすく解説します。

建設工事保険とは?
建設工事保険とは、工事中の建物や資材などに発生した損害を補償する保険です。
簡単に言うと、
「完成前の工事現場を守る保険」です。
工事が完成して引き渡すまでの間は、基本的に施工会社側が管理責任を負っています。
そのため、
- 火災
- 落雷
- 台風
- 洪水
- 盗難
- 施工中の事故
などによって損害が発生した場合、その復旧費用を負担しなければならないケースがあります。
建設工事保険は、そのような予期せぬ損害をカバーする保険です。

建設会社が直面するリアルな事故例
事例① 台風で施工途中の屋根が飛ばされた
木造住宅の新築工事中。
上棟後に大型台風が接近し、施工途中の屋根材や防水シートが飛散しました。
さらに雨水が建物内部へ侵入し、施工済みの内装材にも被害が発生。
復旧費用は約350万円。
建設工事保険に加入していたため、大部分が補償されました。
もし未加入だった場合、その費用は会社負担となっていた可能性があります。

事例② 現場の資材が盗難被害に
夜間、工事現場に保管していた電動工具や銅線が盗まれました。
被害総額は約120万円。
近年は金属価格の高騰により、銅線やケーブルの盗難が全国的に増加しています。
利益率の高くない工事では、120万円の損失は決して小さくありません。
「利益が吹き飛んだ」という話も珍しくないのです。

事例③ 火災による大規模損害
改修工事中の現場で、溶接作業中に火花が飛散。
養生材に燃え移り火災が発生しました。
幸い人的被害はありませんでしたが、施工済み部分を含め約1,000万円の損害が発生。
建設工事保険によって復旧費用が補償され、工事継続が可能となりました。

「請負業者賠償責任保険」との違い
建設業の保険でよく混同されるのが請負業者賠償責任保険です。
- 建設工事保険
→工事中の建物や資材など、自社が施工している工事の損害を補償する保険
- 請負業者賠償責任保険
→他人に与えた損害を補償する保険
という違いがあります。
どちらか一方ではなく、セットで加入するケースが一般的です。
元請けから加入を求められるケースも増加
近年はコンプライアンスやリスク管理の観点から、元請会社が下請業者に対して保険加入を求めるケースが増えています。
特に、
- 公共工事
- ゼネコン案件
- 大型改修工事
などでは加入確認が行われることもあります。
保険加入は単なるリスク対策だけでなく、
「信用力の証明」としての意味も持っています。

経営者が見落としやすいポイント
「小規模工事だから大丈夫」
実は工事規模と事故の大きさは比例しません。
100万円の工事でも、
- 火災
- 盗難
- 台風
によって数百万円規模の損害になることがあります。

「今まで事故がなかった」
保険相談で最も多い言葉です。
しかし事故は「過去」ではなく「未来」の話です。
創業20年無事故の会社でも、21年目に大きな事故が発生することがあります。
事故が起きてからでは加入できません。

「自己資金で対応できる」
数十万円なら対応できても、
- 火災で1,000万円
- 台風で500万円
- 大規模盗難で300万円
となると話は別です。
特に成長期の会社ほど、突然の大きな支出は資金繰りに大きな影響を与えます。

建設工事保険は経費ではなく利益を守る投資
建設会社の経営では、
- 売上を増やす
- 人を採用する
- 設備投資をする
ことも重要ですが、
利益を失わない仕組みづくりも同じくらい重要です。
事故による損失は、何か月もかけて積み上げた利益を一瞬で吹き飛ばします。
だからこそ、多くの優良企業は保険を「コスト」ではなく「経営リスク対策」と考えています。
まとめ
建設工事保険は、工事中の建物や資材に発生した損害を補償する保険です。
建設現場では、経営者の努力だけでは防ぎきれない事故が起こります。
事故が発生した時に会社の利益や資金繰りを守るためには、適切な保険加入が欠かせません。
「うちは今まで事故がなかったから大丈夫」
そう考えている時こそ、一度補償内容を見直してみてはいかがでしょうか。
事故が起きた後では手遅れです。
会社と従業員、そしてお客様との信頼を守るためにも、
建設工事保険は建設業経営における重要な備えの一つと言えるでしょう。
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