建設業が知っておきたい大雨と水災保険対策
2026/08/25
2026年8月、千葉県では記録的な大雨となり、各地で浸水や道路の冠水などの被害が発生しました。
大雨による被害は住宅だけではありません。建設会社にとっても、
工事現場・資材置場・倉庫・事務所などが被災すれば、事業に大きな影響が出る可能性があります。
今回は、大雨によって建設会社にどのような被害が考えられるのか、そして今からできる対策について解説します。

建設会社が大雨で受ける被害とは?
建設業では、次のような被害が考えられます。
- 工事現場の建物や資材が浸水する
- 資材置場の建築資材が水没する
- 電動工具・測定機器などが使用できなくなる
- 事務所のパソコンや複合機が水濡れする
- 倉庫や事務所の床・壁・電気設備などが損傷する
- 工事が中断し、復旧や片付けに費用がかかる
特に建設会社は、事務所だけでなく複数の場所に資材や工具などを保管しています。
そのため、「事務所の火災保険に入っているから安心」とは限りません。

被害額はどのくらい?
被害額は会社の規模や浸水の程度によって大きく異なります。
例えば、事務所と資材置場が浸水したケースを想定すると、
| 被害 | 想定額 |
|---|---|
| OA機器 | 50万円 |
| 電動工具・測定機器 | 100万円 |
| 建築資材 | 200万円 |
| 建物・電気設備の復旧 | 150万円 |
| 撤去・清掃費用 | 50万円 |
| 合計 | 550万円 |
となります。
これはあくまでモデルケースですが、建設会社では資材・工具・設備などにも被害が及ぶため、数百万円規模の損害になる可能性があります。
さらに工事が止まれば、売上減少や追加費用など、直接的な被害以外の影響も考えなければなりません。

建設会社が今からできる5つの水災対策
大雨への備えは、保険だけではありません。
① ハザードマップを確認する
まずは事務所、倉庫、資材置場、工事現場周辺の浸水リスクを確認しましょう。
国や自治体のハザードマップを確認し、どの程度の浸水が想定されているか把握しておくことが大切です。
② 資材・工具の保管場所を見直す
浸水した場合に被害を受けやすい資材や工具を、できるだけ高い場所へ移動できるようにしておきましょう。
「大雨が降ってから移動する」のではなく、どこへ移動するかを事前に決めておくことがポイントです。
③ 工事現場の対応を決めておく
大雨が予想される場合、
- 資材を移動する
- 建設機械を安全な場所へ移動する
- 排水設備を確認する
- 現場の責任者を決める
など、あらかじめ対応を決めておくと、いざというときに動きやすくなります。
④ 保険の補償内容を確認する
「火災保険に加入しているから大丈夫」ではなく、
「水災は補償されるか」
「資材置場は対象か」
「資材や工具は対象か」
「工事中の建物はどうか」
を確認しましょう。
工事中の建物や工事対象物については、建設工事保険などの工事保険で備える方法があります。
また、建物や設備などの財産だけでなく、休業による損失などについても確認しておくと安心です。
⑤ 被災したときの対応を決めておく
実際に被害を受けた場合に備え、
- 保険会社・代理店への連絡先
- 被害状況を撮影する担当者
- 被害品の一覧を作る方法
- 従業員や取引先への連絡方法
などを決めておきましょう。
特に被害状況の写真や損害品の記録は、保険金請求の際に重要になる場合があります。

「今まで浸水したことがない」から大丈夫?
水災について考えるとき、
「この地域は今まで浸水したことがない」
「事務所は少し高い場所にある」
と考えてしまうことがあります。
しかし、近年は局地的な大雨などにより、これまで大きな被害がなかった地域でも冠水や浸水が発生しています。
今回の千葉県の大雨も、自社の水災リスクを考えるきっかけの一つといえるでしょう。
「もし明日、大雨で事務所や資材置場が浸水したら?」
まずは被害を具体的にイメージし、できる対策から始めてみましょう。
建設業の保険は「入っている」より「合っている」
建設会社の保険は、会社の規模や工事内容、資材の保管場所などによって必要な補償が変わります。
特に、
- 事務所・倉庫
- 資材置場
- 工事現場
- 工事中の建物
- 工具・設備・資材
- 休業による損失
などを一つずつ確認することが重要です。
今回の大雨をきっかけに、ぜひ一度、現在加入している保険の補償内容を確認してみてください。
「水災補償は付いている?」
「資材置場の資材は補償される?」
「工事中の建物はどうなる?」
分からない場合は、まず保険証券を確認するところから始めてみましょう。
当社では、建設業の事業内容や工事内容、資材の保管状況などを確認しながら、
現在の保険契約の補償内容を整理するお手伝いをしています。
災害が起きてからではなく、被害が起きていない今だからこそ、自社の備えを確認しておくことが大切です。

※被害額はあくまでモデルケースであり、実際の平均的な被害額を示すものではありません。
実際の損害額や保険金のお支払いは、被害状況や保険商品・契約内容によって異なります。