【事例で学ぶ】熱中症を防ぐ!今すぐできる5つの対策
建設業・屋外作業者必見!!

毎年、真夏になると「熱中症による緊急搬送」や「熱中症による死亡事故」のニュースが取り上げられます。特に屋外での作業が多い建設業、運送業にとって、熱中症は”明日は我が身”のリスクです。
厚生労働省の発表によると、熱中症による労働災害は2024年において1257件、そのうち死亡者は31人でした。しかしその多くは、事前の対策で防げた可能性があるとされています。
今回は、事例を紹介しながら効果的な熱中症対策を5つご紹介します。社員の安全、自身の安全を守るためにも、企業として「知っておくべき」「すぐできる」熱中症対策を実践しましょう。
熱中症とは? 基礎知識
熱中症とは、高温多湿な環境で体温調節うまく機能せず、体に熱がこもって発症する症状の総称です。主な症状は、めまい、倦怠感、頭痛、吐き気、意識障害など。重傷化すると命に関わる恐れもあります。
特に注意が必要な環境・状況は以下の通りです。
❗気温30℃以上の屋外作業
❗風通しが悪く直射日光のあたる場所
❗水分・塩分補給が不十分な場合
❗連日の疲労や睡眠不足がある場合

5つの参考事例
【事例①】休憩していたのに倒れた・・・
1時間ごとの休憩を取って関わらず関わらず作業中に倒れた。
原因:日差しの当たる場所で休憩していたため、体温が十分に下がらなかった。
改善ポイント:直射日光の下での休憩は休憩にならない。冷房のある仮設小屋、日陰、送風機の設置な どが必要。熱がこもった作業服は休憩時に脱ぐことも有効。

【事例②】水をたくさん飲んでいたのに症状が悪化・・・
作業中に2リットル以上の水を飲んでいたが、午後に意識を失い搬送された。
原因:水分だけで塩分を補給しておらず「低ナトリウム血症」による熱中症となった。
改善ポイント:汗と一緒に塩分も排出されるため、水だけでなく塩分補給も必須。スポーツドリンク、経口補水液、塩分タブレットなどを活用する。作業前、作業中、作業後の3タイミングでこまめな補給を。
【事例③】気温の上昇に対応できないまま作業継続・・・
通常通りのスケジュールで作業を継続。結果、複数名が熱中症で搬送された。
原因:WBGT(暑さ指数)が危険レベルに達したにも関わらず、通常通りのスケジュールで作業を行った。
改善ポイント:WBGTは温度だけではなく湿度・日射も考慮した指標のため、環境省のWBGT情報を参考に、WBGTが31℃を超える時間帯(12時~15時)の作業を制限する制度を導入。自治体の情報を活用もおすすめ。
【事例④】「休ませてほしい」と言えずに・・・
体調が悪くなっても「迷惑になる」「怒られるかも」と言う思いから誰にも相談できず、作業中に倒れた。
原因:声を上げられない雰囲気が最大のリスク。
改善ポイント:体調が悪いときは無理せず報告することを明文化する。体調確認ミーティングを行う。チーム全体で”声かけ”を意識し、報告のハードルを下げる。

【事例⑤】空調服の導入で熱中症ゼロへ
こちらは成功事例です。
全作業員に空調服(ファン付き作業着)を支給。導入初年度から熱中症による休業がゼロに。作業効率も向上し導入コスト以上の成果が出た。
ポイント:空調服、冷感スカーフ、ネッククなどが有効。初期費用はかかるが「命を守る投資」としての効果は◎。
まとめ
熱中症は誰にでも起こりえる身近なリスクです。100%熱中症を防ぐ事はできません。しかし、事前の準備でほとんどを予防できます。
万が一に備え、業務災害保険・傷害保険の見直しもこの時期おすすめです。社員の健康を守ることは、企業の責任でもあり信頼にも繋がります。
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